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健康経営®の入門編!ACTION!セミナーレポート in 福岡

2023.10.16

「健康経営®の入門編!ACTION!セミナー in 福岡」が2023年8月24日(木)に開催されました。 福岡県は健康経営への関心が高く、健康経営優良法人の認定法人数や、協会けんぽの健康宣言への参加団体数も右肩上がりに増加しています。県が独自に展開する健康づくり運動も相まって、県民一人ひとりの関心の高まりや行動変容が、企業の健康経営の推進を支えています。一方、福岡県も全国的に見られるのと同じように企業の人手不足、従業員の高齢化や生活習慣の乱れといった課題を抱えているところが数多くあります。セミナーでは多くの方々が各々の課題解決に役立てようと、福岡県における健康経営の取り組み事例に耳を傾けていました。

・経済産業省
経済産業省からは、政策における健康経営の位置付けや、推進による効果、今後の展開について説明がありました。

・協会けんぽ福岡支部
福岡県とともに展開する「ふくおか健康づくり団体・事業所宣言」について説明があったほか、健康診断の費用補助など、健康経営のサポートにもなる取り組みについて紹介がありました。

・福岡県
福岡県が取り組む「福岡県健康づくり県民運動」の中身のほか、健康経営に活用できる各種ツールやアプリ、相談窓口の活用について説明がありました。

・社会福祉法人柚の木福祉会
3年連続で「ブライト500」に選出された社会福祉法人柚の木福祉会の健康経営への取り組みや、その取り組みが奏功するまでの道のりについて事例紹介がありました。

・健康経営優良法人認定事務局
健康経営優良法人認定事務局として、日本経済新聞社からは今年度の申請に係る改定ポイントやインセンティブの活用について説明がありました。

地域における健康経営の推進について(経済産業省)

まず初めに、「地域における健康経営の推進について」と題し、経済産業省が登壇。健康経営に取り組む意義や、推進することによる効果について説明がありました。健康経営に取り組む企業が右肩上がりに増える中、福岡県の認定数(中小規模法人部門)は前年比27パーセント増の348社(2023年)と増加傾向にあると強調。今後も、企業への分析結果の提示やインセンティブ(補助金・融資・優遇措置等)の活用を促していくと話しました。

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ふくおか健康づくり団体・事業所宣言― 協会けんぽと一緒に健康経営をはじめませんか? ―(全国健康保険協会福岡支部)

続いて、協会けんぽ福岡支部 山﨑文俊氏(以下、山﨑氏)が福岡県における「ふくおか健康づくり団体・事業所宣言」の活動内容や状況、サポート体制について説明しました。

山﨑氏 健康経営とは、社員の健康を重要な経営資源と捉えて、健康増進に積極的に取り組む経営スタイルのことです。さまざまな事業者を訪問しますが、人手不足に悩んでいる企業が多く見られます。それゆえに、人材確保や定着といった観点から健康経営に取り組み始めた方が多く、企業のイメージアップやリスクマネジメントとして捉えられているようです。

福岡県の事業者を見てみると、「健康宣言」を行った企業は令和元年度に2,385社だったのが、令和5年(5月末時点)には4,369社と約1.8倍に増えています。業種別では、建設業が44パーセントと半数近くを占めています。宣言された企業に行ったアンケートでは、約6割の企業が欠勤・体調不良者の減少に「効果があった(改善した)」と答えており、各々の取り組みが奏功しているのがうかがえます。

現在、我々協会けんぽ福岡支部と福岡県が共同で「ふくおか健康づくり団体・事業所宣言」を実施しています。これは「がん検診の受診」や「運動習慣の定着」など7つの分野から1つ以上選んで具体的な取り組みを宣言してもらうものです。登録することによって、競争入札参加資格の加点対象となるといったメリットが得られます。さらに、協会けんぽの基本モデル(健診の受診率の目標値を設定・特定保健指導の利用率の目標数値を設定・「食生活」「運動」「禁煙」等の分野から取り組みを1つ以上設定)に沿って登録すると、スポーツクラブの利用料割引や自費診療のCT検査等の費用補助、健康づくり優良事業所認定といったメリットがあります。

協会けんぽ福岡支部は、健康診断の費用補助(35歳以上)を行っています。そして、法律に基づいた健康診断を実施している事業者の方に健康診断結果の提供をお願いしています。

協会けんぽ福岡支部が行う健康診断の費用補助

これらを条件に従って進めていただければ、健康経営優良法人の認定要件を満たすかたちとなっています。さらに、保健師や管理栄養士による特定保健指導も展開しており、健康状態の改善に向けて一緒に取り組むことができます。

協会けんぽ福岡支部は、健康経営に取り組む上で有益となる、また従業員の健康に寄与できる情報やサポート体制を整えています。ぜひ「ふくおか健康づくり団体・事業所宣言」に登録し、有効活用してください。

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健康経営に係る取組について(福岡県)

次に、「健康経営に係る取組について」と題し、福岡県保健医療介護部健康増進課 合田一成氏(以下、合田氏)から福岡県のこれまでの取り組みや企業が活用できるツール・サービスについて紹介がありました。

合田氏 福岡県は、平成30年度に「福岡県健康づくり県民運動」をスタートしました。目的は県民の健康寿命を延伸することで、取り組みの柱として「健(検)診受診率の向上」「食生活の改善」「運動習慣の定着」を設定しています。保健医療関係の団体や経済団体、企業や大学、マスコミなどさまざまな分野の組織が一体となって取り組んでおり、代表者による「ふくおか健康づくり県民会議」も設置しています。協会けんぽのセミナーでも説明があったとおり、「ふくおか健康づくり団体・事業所宣言」を展開し、登録することで企業の方々は対外的・対内的にさまざまなメリットが得られるようになっています。加えて「健康づくり実践アドバイザー派遣」も実施しています。

このほかにも県民の健康のためにさまざまなアプローチを行っています。全国平均とほぼ同じ年齢・職業分布である久山町と九州大学が研究したデータをもとに作られたシミュレーションシステム「ひさやま元気予報」は、自身の健康診断の結果を入力すると生活習慣病の発症リスクなどが分かる仕組みです。これにより健康リスクを判断して、生活習慣の見直しに役立てることが期待できます。

令和2年から歩数に応じて特典協力店でサービスを受けられる「ふくおか健康ポイントアプリ」を運用しています。設定したグループで歩数ランキングを表示できるため、職場でグループを作り、歩数を競い合うイベントなど、健康経営の取組に役立てていただけると考えております。

また、県ではおすすめの運動として、疲れないスピードでゆっくり走る「スロージョギング」の普及に取り組んでいます。これは福岡大学で考案された本県発祥の運動でして、走ることが楽しくなり、エネルギー消費量がウォーキングの2倍もありますので、従業員の方に運動習慣の定着を促す際に、御紹介いただければ幸いです。

最後に、福岡県では、脳卒中や心臓病等の循環器病患者に対する包括的な支援を行うため、福岡県循環器病総合支援センターを設け相談を受け付けていますので、従業員の方に周知いただくとともに、循環器病の従業員の方に関する相談などがありましたら御活用ください。

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<実践企業事例>柚の木式健康経営提案書(社会福祉法人 柚の木福祉会)

続いて、福岡県内の企業事例紹介として、社会福祉法人柚の木福祉会理事長白谷憲生氏(以下、白谷氏)がご登壇され、健康経営に取り組んだ経緯や成果について紹介いただきました。

白谷氏 児童福祉や障がい者福祉、高齢者福祉におけるサポート事業を展開する柚の木福祉会は、17事業所・約800人の利用者を職員154人が支えています。2023年現在、4年連続で健康経営優良法人の認定を受けており、3年連続で「ブライト500」にも選ばれています。「健康寿命を延ばそう!」「医療費を削減して世界のために寄付をしよう!」を合言葉に、職員が安心して楽しく働ける環境を提供し続けています。

VUCA(ブーカ)の時代と言われるように、我々も新たな人材をどうやって取り込んでいくのか、持続可能な発展を続けられるのか、また収入の確保をどうするのかといった課題が山積していました。これを乗り越えていくには、健康経営に取り組んでいくしかないと考えて「良い人財獲得と育成、心身の健康維持・風通しの良い社風と明るい人間関係・誇れる労務環境・いつまでも健康で働ける会社・BRAND会社に勤めるステータス」を目的に健康に関わる活動を展開していきました。

健康経営への道は苦難ありで、例えば「インフルエンザ罹患率ゼロ」を目指す活動を始めた頃、職員は「どうせ達成できないだろう」と信じてくれませんでした。しかし、マスコットキャラクター「よぼーちゃん」を作ったり、マスクの着用を促したりと一つひとつアクションを起こしていくことで、4年後にはゼロを達成できたのです。マスク着用は、後のパンデミックにも役立ちました。ここで大切なのは、人を巻き込んで行動することです。職員に必要性を訴え続けることで、次第に私の健康経営への熱量が伝わっていったのだと思います。

健康経営の実現は、いろいろな結果をもたらしました。まず、人材の確保の点では「ブライト500」に選ばれていることが決め手となって入職した職員が複数人います。数字として見えてきたものは「有給休暇取得率90パーセント(2022年)」「定時退勤者数89.6パーセント(2022年)」、そして「健康診断受診率100パーセント(2022年)」など数多くあります。

健康経営は、トップが理解することから始まります。そして、行動することが重要です。人を動かすのは大変であり、私の取り組みも7年を経て、ようやく浸透してきています。人を巻き込んで、健康につながる斬新なアイデアを進めていくことでそれぞれのストーリーが出来上がってくるでしょう。健康経営を目指す企業の方々には細かく、しぶとく頑張ってほしいと思います。

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健康経営優良法人認定制度について(健康経営優良法人認定事務局)

セミナーの最後に、健康経営優良法人認定事務局(日本経済新聞社)からポータルサイト「ACTION!健康経営」の紹介と、今年度の申請の改定ポイントについての説明がありました。加えて、健康経営に取り組むメリットとして、“健康経営”というキーワードから企業外に多くの接点が持てることだと語られ、地域経済のコミュニティの活性化につながる地域の窓口などが紹介されました。詳しくは投影資料をご覧ください。

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