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健康経営®の入門編!ACTION!セミナーレポート in 沖縄

2024.01.22

健康経営優良法人2023(中小規模法人部門)認定数の前年度比増加率が、160パーセントと全国トップの伸び率を誇る沖縄県。「長寿県おきなわ」を目指して、長く健康に働ける人づくりを行っていこうと前向きな姿勢を持っています。この度、台風6号の影響によりやむなく中止となっていた「地域で活かし、地域で広げるACTION!セミナーin沖縄」が2023年12月15日(金)に延期開催されました。健康経営に活かせる情報や同じ志を持つ人とのつながりを得ようと多くの方々が参加されました。

登壇者と各発表の概要

・経済産業省
ヘルスケア政策や健康経営を推進する目的、健康経営を実現したことで得られる効果などについて説明がありました。

・協会けんぽ沖縄支部
関係機関5者で包括的にサポートを行う「うちなー健康経営宣言」の概要やサポート内容、目指す姿について話がありました。

・沖縄県医師会
長寿の島と言われていた時代からライフスタイルが欧米化し、働き世代が高血圧関連疾患で死亡する率が高くなっていることに言及。企業と医療(産業医)との連携で従業員の健康を観察し、現状を変えていく必要性について話がありました。

・<実践企業事例>沖縄ツーリスト
3年連続でブライト500に選出されている沖縄ツーリストは、全社員が”非喫煙者”となるように取り組みを進めて2020年から喫煙者ゼロを継続しています。禁煙を進める取り組みや健康経営に向けたさまざまな取り組みについて話がありました。

・健康経営優良法人認定事務局
健康経営優良法人認定事務局が運営するポータルサイトやX(旧Twitter)の公式アカウントなどを案内し、健康経営の情報の閲覧や活用ポイントなどの説明がありました。

地域における健康経営の推進について(経済産業省)

セミナーの最初では、経済産業省が「地域における健康経営の推進について」と題して、ヘルスケア政策を展開する狙いや健康経営の推進状況などを紹介しました。また、取り組み事例や社会に健康経営が浸透した先の未来についても言及しました。沖縄県では健康経営優良法人2023(中小規模法人部門)の認定数が2022年に47社、2023年は75社と着実に増加しているため、今回の認定数(健康経営優良法人認定2024)についても期待できるのではないかと述べました。

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うちなー健康経営宣言について(協会けんぽ沖縄支部)

プログラム第2部では、協会けんぽ沖縄支部の玉城雅人氏(以下、玉城氏)が「うちなー健康経営宣言」の概要とサポート事業の詳細について紹介しました。

玉城氏 2021年に関係機関5者「沖縄県・沖縄労働局・沖縄県医師会・協会けんぽ沖縄支部・沖縄産業保健総合支援センター」が「働き盛り世代の健康づくり」に関する協定を結び誕生したのが「うちなー健康経営宣言」です。まずもって、2040年に男女とも平均寿命日本一を目指そうと考えていまして、現状は男性が43位、女性が16位となっています。それにプラスして、働き世代で子育て世代でもある65歳未満死亡率を下げていくこと、そして12年連続で全国ワーストとなっている定期健診診断有所見率を少しでも改善していくことを、我々も含めた関係機関が皆さまをサポートしながら目標達成していきたいと考えています。

ちなみに、沖縄県の年齢階級別人口について2000年と2023年を比較すると、20歳〜29歳の人口が極端に少なくなっており、35歳以上が非常に多くなっています。今後、この分布が年々右にスライドしていくわけですから、そのことを含めても35歳以上の方々に健康で長く働いていただき、経済を支えてほしいという思いです。

現在、うちなー健康経営宣言に認定されている事業所は全体で1,520事業所、協会けんぽに加入しているところに絞ると1,433事業所となっています。昨年、急激に増加しました。最も大きい原因は土木建築業の入札参加資格及び等級格付基準でうちなー健康経営宣言に認定されていることが加点対象となったことだと考えられます。

うちなー健康経営宣言に登録すると、定期健診や生活習慣病予防健診を「特定健診データ化」したものを基に作成した「事業所カルテ」が毎年交付されます。これにより各事業所の健康課題が見える化され、必要な取り組みが見えてくるでしょう。実際に、特定健診受診率(被保険者)は、未宣言の企業では60.3パーセントであるのに対して、うちなー健康経営宣言を行いかつ健康経営優良法人に認定された企業だと88.1パーセントと大きく差が出ています。

このほか、禁煙サポート事業への参加や特定健診対象者(40歳以上の被扶養者)にも特定健診を促すプロジェクトなどを展開しています。ぜひ目標に近づけるように、ご理解ご協力していただければ嬉しいです。

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沖縄県医師会65歳未満の働き盛り世代の健康復活プロジェクトと健康経営の取り組み(沖縄県医師会)

プログラム第3部では、沖縄県医師会の玉城研太朗氏(以下、玉城氏)が「沖縄県医師会65歳未満の働き盛り世代の健康復活プロジェクトと健康経営の取り組み」と題して働き世代が抱える課題や産業医との連携の重要性などをお話しました。

玉城氏 私は小学校で授業する機会がありますが、残念ながら今の子たちは沖縄県が世界一の長寿の島だったことを知りません。そう言われていたのは20年前のことで、現状は男性の平均寿命が43位とワースト圏内に入り、長寿神話が崩壊しています。早急にこの状況を変えていかなければなりません。TIME誌によると、20年前までの沖縄県が長寿であった所以は、体だけではなく心のエクササイズを行っていたことや低脂肪・塩分控えめで野菜や果物が豊富な琉球料理と大豆を多く摂取していたこと、そして”腹八分目”の食事だったことを挙げています。ところが、現在はライフスタイルが欧米化し、人口10万人あたりのハンバーガーショップの店舗数は全国1位となっています。働き盛り世代の死亡率も非常に高く、一番の原因として挙げられるのが高血圧関連疾患です。

先ほど協会けんぽ沖縄支部様からもお話がありましたが、こういった状況を打開すべく5者による「沖縄県の働き盛り世代に係る健康づくりの推進に向けた包括的連携に関する協定」が結ばれ、加えて沖縄県医師会は「産業医部会」を設立しました。働き世代の死亡原因1位である高血圧関連疾患については医療機関につなげる取り組みを、そして2位の自殺についてはメンタルヘルス対策を、そして3、4位のがんについては検診と精密検査を受診することを促していけるように介入していく必要があると捉えています。

今後、長く健康に働くためには医療(産業医)と企業が連携していくことが重要です。生活習慣指導については保健師の方に相談されると思いますが、何かあれば我々産業医を活用いただければと思います。また、メンタルヘルスについても連携しながら職場環境の改善を図っていきたいと考えています。

健康にはバランスの良い食事と運動が大切です。そして、早期発見・早期治療。特定健診やがん検診を受けて、要精密検査の場合は早めに医療機関を受診するようにしてください。

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<実践企業事例>健康経営の取組(沖縄ツーリスト)

県内の実践企業事例として、 沖縄ツーリスト株式会社の玉村美智子氏(以下、玉村氏)が登壇。3年連続でブライト500に選ばれている同社が健康経営に取り組んだ背景や活動内容についてお話しました。

玉村氏 弊社は、那覇市松尾に本社を構えており、今年(2023年)10月に創業65周年を迎えました。旅行事業、オンライントラベル事業、レンタカー事業、保険販売事業を行っており、社員数は296名です。2015年に、収益力を上げることを目的に全社員に個別面談をしたところ、当時の喫煙率は約30パーセントと高く、たばこの”におい”について様々な声が挙がりました。接客業務を担う立場であることから、従業員の健康とサービス改善を図ろうと2016年に「OTS(沖縄ツーリスト)受動喫煙削減プロジェクト」を立ち上げました。同年に健康経営推進を行う部署も新設し、健康経営の本格的な取り組みがスタートしました。この部署は、2019年には取締役を置いて健康経営本部となっています。

弊社では全社員が”非喫煙者”になることを念頭に取り組みました。2016年時点で「2020年1月1日から全社員を非喫煙者とする」といった方針を説明し、講習会や部署単位での禁煙宣言、産業医による個人面談及び指導などを経て就業規則、非喫煙者に関する内規の周知を行い、段階を踏んで喫煙者を減らすように促していきました。その結果、2017年5月時点で206名だった喫煙者が、 2020年1月にゼロとなりました。現在も喫煙者ゼロを継続しており、採用選考基準にも「喫煙癖がないこと」を明記しています。

現在、健康経営の推進に向けて喫煙以外にも「飲酒・食事・運動・睡眠」についても取り組みを行っています。健康診断の受診率については、業務によって受診日に行けなかった等を防ぐために、Googleフォームを活用して健診の受付を行い、一人ひとりの希望に合わせて手配するようにしたところ、2019年から100パーセントを達成しています。さらに保健師や産業医から様々な指導をいただいたところ、特定保健指導該当者が51名(2019年・2020年)から32名(2021年・2022年)に減少し、連続して該当する割合も43.1パーセント(2019年)から9.4パーセント(2022年)にまで下がりました。このほか、過度の飲酒を控えて0時までに帰宅・就寝する「シンデレラ運動」や職域ワクチン接種、さらに旅行社ならではのOTS休暇促進旅行支援制度(年次有給休暇の取得促進と、健康ツーリズムプログラム等への参加)の運用を行っています。

「病気にならない体づくり」をすることを目的に健康経営を進めてきました。費用をかけずにできることも多くあります。弊社の取り組みを紹介したことが、皆さまが健康経営を進める際に参考になれば幸いです。

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健康経営優良法人認定制度について(健康経営優良法人認定事務局)

セミナーの最後には、健康経営優良法人認定事務局(日本経済新聞社)からポータルサイト「ACTION!健康経営」で閲覧できる情報や特に活用してほしいポイントについて説明がありました。また、実践企業の声や認定ロゴの活用方法、健康経営を支える多彩な窓口やX(旧Twitter)の公式アカウントを案内しました。健康経営は”経営”であり、健全な組織運営の延長線上で実現できるものであると強調。沖縄県は特に商工会や商工会議所を通じて企業同士や人と人との結びつきが強い地域だと感じたことに言及し、縁を大事に健康経営に取り組んでほしいと話しました。

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