「ACTION!セミナー」では、「健康経営にこれから取り組む」または「健康経営に取り組んで間もない」中小規模法人を対象として、健康経営に関する基礎的な考え方から実践にあたっての支援制度の紹介、また実際に健康経営に取り組んでいる企業をお招きし、その取り組み事例をお伝えしています。 (年内 全国5都市にて開催予定) 今回は、健康経営優良法人認定数(中小規模法人部門)が前年比107%と、健康経営への取り組みが着実に進んでいる福島県で行われた「ACTION!セミナー」の内容についてお届けします。本記事は、全3回でお届けする連載の第3回目です。
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<実践企業紹介>株式会社桑原コンクリート工業
「技術をつなぐ。次代につなぐ。~くらしを支える『コンクリート』で未来を創るお手伝い~インフラを支え守っているのも、やっぱり『人』!!」
健康経営の実践企業事例として、福島県内で生コンクリート製品・コンクリート二次製品の製造および販売事業を営む、株式会社桑原コンクリート工業の取締役総務部長兼生コン事業所統括マネージャー 國分由紀枝氏(以下、國分氏)が登壇。健康経営を始めた経緯からさまざまな施策、成果と展望について講演しました。

■相次ぐ病が健康経営を始める契機に
桑原コンクリート工業は、2026年で創立52年目を迎え、従業員数54名で稼働しています。
健康経営を始めたきっかけは、常務2人が連続して体調不良に陥ったことだったそうです。

朝礼中、ある常務のろれつが回っていないことに社員が気づき、診察の結果、病院で軽い脳梗塞と診断されました。
その3ヶ月後、また別の常務の右半顔の動きに違和感があることを社員が指摘、病院を受診したところ軽度顔面麻痺の診断……当時は東日本大震災の復興需要により、多忙な日々が続いていた時期とも重なっていました。
國分氏は、「それ以前は市内のクリニックで健康診断を受けてもらうやり方を取っていたが、このことをきっかけに社長の発案で会社に健診バスを呼んで集団健診を行うことを決め、より確実に従業員全員が健康診断を受けてもらえる体制にした。」と振り返ります。
■集団検診、健康事業所宣言、そして“健康を意識する日”の設定
健診バスを導入した翌年の2018年、協会けんぽの勧めもあり、「健康事業所宣言」を実施。
集団健診を実施する日は、一日中工場の製造・出荷をほとんど止めることになるため、その時間を有効活用したいと担当の保健師さんへ相談、集団健診を受けた後の午後の時間帯に健康セミナーを実施する企画が出来上がりました。

「毎年8月の集団健診の日を“健康を意識する日”と位置づけ、午前中は集団検診、お昼にはオリジナルの健康弁当を配布し、午後には健康セミナーを実施する。自分の心と体について理解を深めてもらうきっかけになれば。」と國分氏は語ります。

健康セミナーは毎年さまざまなテーマで実施していますが、初回の「健康診断の結果の見方」について、「今でも記憶に残るほど勉強になるセミナーだった。」と國分氏は振り返ります。
桑原コンクリート工業は、そのほかにもさまざまな健康経営施策を行っています。
健康な1日を実現するために取り組んでいる、独自の体操についても紹介がありました。

「スポーツクラブのインストラクターに実際の業務を見学していただき、負荷がかかる部分を重点的にストレッチできるように考案した。」という“クワコンオリジナル体操”に加え、ミキサー車のドライバーは「降圧体操」も行うなど、業務内容に合わせた体操が取り入れられています。
そのほかにも「休憩室等には血圧測定器や還元水素水サーバー、足つぼマットなどを置き、従業員同士がお互いに身体を労わりながら業務に従事できる環境を整えている。」と國分氏は語ります。
県が課題として挙げている喫煙対策については、喫煙のリスクを掲示物で周知しているほか、毎月第1木曜日を「減煙チャレンジDay!!」に設定。
禁煙ではなくあえて“減煙”と題し、喫煙所を封鎖し、無理せず喫煙者が1本でもタバコを減らせるように取り組める工夫をしているほか、高圧酸素ボックスや高濃度水素吸入器、協会けんぽから貸し出される血管年齢測定器なども活用。
國分氏は「従業員からは『ぐっすりと眠れるようになった』という声も上がっている。」と話します。
さらに、ウォーキングマシンなどを持ち寄った社内のトレーニングジムと、民間連携スポーツジムの両方を利用できるようにし、業務後にリフレッシュタイムとしての活用を推奨しています。
■会社に来ると健康になれる、を具現化する組織風土を目指して
2017年の健診バス初導入以来、従業員の健康を守るために豊富な施策を行ってきた桑原コンクリート工業。
健康経営優良法人の認定を受けたほか、2023年には県内の健康経営優良事業所の認定企業から選定される「福島民友新聞社賞」の表彰を受けています。

健康への想いは社内に留まらず、社外を巻き込んだ取り組みも行っています。
國分氏は「社員が健康であれば、この産業を次の時代につないでいくことができる。そして知名度やブランドイメージが向上することで、人材誘致にもつながる。」と語り、その思いが、これまでに献血への協力や、子どもたちの職業体験の受け入れ、地域の方々とのつながりを醸成する「クワコン芋煮会」など様々なアイデアを具現化させてきました。
これまでの健康施策について、「実際に従業員の一部で血管年齢が若返るなどの成果が数値にも表れている。」と振り返ります。

國分氏によれば、桑原コンクリート工業の社長は常々「会社に出勤してラジオ体操をする、オリジナル体操をする、血圧測定をしたり水素還元水を摂取したりしてみる、そういった様々なことを経て、従業員の意識が変わる。意識が変わることで行動が変わり、身体の変化につながっていくような“会社に来たらいつの間にか健康になっている”、そんな会社を目指したい。」と語っているそうです。
國分氏は、「 “意識が変われば、行動が変わる”とよく言われますが、最初の“意識を変える”環境を提供できる会社になりたい。」と今後の展望について語り、締めくくりました。
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