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2024.10.30

健康経営®で企業の魅力づくり|ACTION!セミナーレポート in 大阪

第5弾となる「健康経営で企業の魅力づくりACTION!セミナーin大阪」が2024年9月25日(水)に大阪市内で開催されました。古くから”商いの街”と称される大阪府は、健康経営優良法人(中小規模法人部門)の認定数が全国トップで走り続けており、健康経営への関心度の高さがうかがえます。今回のセミナーも会場がいっぱいになる程多くの方が出席され、健康経営に関する情報・アイデアを少しでも多く取り入れようと積極的な姿勢で傾聴していました。

登壇者と各発表の概要

・経済産業省
従業員やその家族の健康を支える健康経営が、労働力人口の維持や生産性向上に重要だと強調。大阪府では、健康経営優良法人2024(中小規模法人部門)で全国最多の2,042社が認定されたことを発表しました。

・協会けんぽ大阪支部
大阪支部の加入者の多くが中小企業であること、健康経営優良法人の認定数が増加していることを報告。認定を目指すには健康宣言と5つの取り組みの推進が重要であると説明しました。また、健康経営をサポートする体制を紹介しました。

・大阪府
健康寿命が男女とも全国値を下回っていることなど、府民の健康を取り巻く現状を説明。健康寿命延伸に向けた具体的な施策についても触れました。

・<実践企業事例①>株式会社前田組
5年連続で健康経営優良法人、4年連続で「ブライト500」に選出されている同社。検診の費用負担や制度新設・改訂、健康につながるイベントなどさまざまな角度から充実した取り組みを展開し、特定保健指導該当率などの改善に成功しています。

・<実践企業事例②>株式会社八代塗装
「ブライト500」に3年連続で選出されているものの「選ばれるために活動するのはダメ」というポリシーを持つ友田社長。保険加入や禁煙対策など”親が子を想うように社員を想う”施策を展開しています。

・健康経営優良法人認定事務局
ポータルサイトで特に活用してほしいページや健康経営優良法人2025に係る改訂ポイントなどについて説明がありました。

これからの健康経営(経済産業省)

 

プログラム第1部では、経済産業省が「これからの健康経営」をテーマに講演しました。国内の高齢化や社会保障費の増加といった課題を踏まえ、”健康”であることが労働力人口の確保や生産性向上に直結すると指摘しました。

また、女性特有の健康課題が、社会全体に年間約3.4兆円の経済損失をもたらしていることを説明しました。そして現状では女性側の支援ニーズと、企業側のサポート体制にギャップがあるとして、理解促進を図りながら働きやすい環境を整備していくことが必要だと訴えました。

さらに、従業員の健康に目を向けることはコストではなく投資であるという視点を強調し、積極的に健康経営に取り組むよう呼びかけました。大阪府では、健康経営優良法人の認定数が、大規模法人部門では313社と東京都に次いで2位、中小規模法人部門では2,042社(2024年)と全国でも群を抜いて多く、ぜひ取り組みを続けてほしいと話しました。

 

 

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健康宣言をしよう(全国健康保険協会大阪支部)

 

プログラム第2部は、協会けんぽ大阪支部 福地猛氏(以下、福地氏)が演題「健康宣言をしよう」について講演しました。

 

福地氏 全国の協会けんぽに加入する約4,000万人のうち、大阪支部における加入者は、約350万人、約22万社でその8割が従業員10人未満の中小企業となっています。国民医療費の増大による保険料率の伸びを抑えるためにも健康経営が必要となってきており、健康経営優良法人(中小規模法人部門)の認定を受ける企業も右肩上がりに増えています。大阪府については、5年連続で認定数が全国トップ(中小規模法人部門)であり、2024年の認定数2,046社のうち協会けんぽに加入している事業所は1,608社となっています。

認定を目指すための第一歩として「健康宣言」してみてはいかがでしょうか。健康宣言とは、『健康経営の考え方に基づき、社員に対する健康づくりへの取り組みを、社内外に発信(宣言)すること』で、健康経営を進めるためのファーストステップにあたります。宣言後に「社員の健診受診率100%」「特定保健指導の実施率35%以上」「要治療判定者への受診勧奨」「健康づくり担当者の設置(健康保険委員)」「これから取り組みたい自社の健康課題の項目」の5つの項目に取り組んでいただきますが、これらは健康経営優良法人の認定要件と連動しており、全て取り組むことで認定に近づけるように設定されています。

 

 

取り組みをサポートするべく、健診の費用補助や無料の特定保健指導の実施、ヘルスケア通信簿にあたる「事業所(業態別)カルテ」の提供、無料の健康づくり講師の派遣等を行っています。さらには今年度から健康宣言事業所専用サイト「おおさかヘルスアップ」も立ち上げました。健康経営の推進に向けて、ぜひご相談、ご活用ください。

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大阪府における健康経営の取り組みについて(大阪府)

 

プログラム第3部は、大阪府健康医療部健康推進室健康づくり課 吉田真司氏(以下、吉田氏)が演題「大阪府における健康経営の取り組みについて」について講演しました。

 

吉田氏 まず府民を取り巻く状況について、健康寿命は男性71.88歳・女性74.78歳とそれぞれ延伸しているものの全国値を下回っています。さらに市町村間の健康格差は拡大傾向にあり、介護保険要介護(要支援)認定者数も増加しております。特定健診受診率、特定保健指導実施率については若干右肩上がりではあるものの、全国値を下回っているのが現状です。

このような課題をクリアにしていくために大阪府では「第4次大阪府健康増進計画」を策定し、健康寿命の3歳以上延伸や健康格差の縮小をめざして各種取り組みを行っています。具体的には、「ヘルスリテラシー」や「食生活」などの10項目への取り組みを重点的に推し進める「健活10(ケンカツテン)」の推進や府民の健康をサポートするアプリ「アスマイル」を展開しています。アプリは現在約42万人が登録しています。また、事業者や市町村など多様な主体の連携・協働による健康づくりを推進するため、「健活おおさか推進府民会議」を設立し、府民の主体的な健康づくり活動を推進しています。

 

 

2025年に開催される大阪・関西万博を契機に、「健活10」の認知度をより一層向上させるため、健活10と万博がコラボした特大ポスターの掲出や、健活ソング・ダンスを制作し、イベント出演等を通じて府域への普及を図ります。さらに、働く世代への定期健康診断・特定健診の受診促進、糖尿病予防などを目的とした動画による普及啓発にも取り組んでいます。今後も大阪府の健康づくりに向けた取り組みにご理解・ご協力いただければありがたいです。

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<実践企業事例①>地域建設会社の健康経営の取り組みと効果(株式会社前田組)

 

実践企業事例1つ目は、株式会社前田組 角田茂記常務取締役(以下、角田氏)が「地域建設会社の健康経営の取り組みと効果」と題して、健康経営の軌跡について発表いただきました。

 

角田氏 今年で創業90年目となる我が社は、総合建設業を営んでおります。売上高はグループ全体で100億円、社員数は153名(2024年8月末)となっています。健康経営については、5年連続で健康経営優良法人の認定をいただいており、4年連続で「ブライト500」にも選ばれています。また大阪府の「健康づくりアワード」で最優秀賞に選出いただきました。ちなみに健康経営を推進したり、活動のアイデアを出してくれたり、そして動画制作などを担当しているのは女性社員1名が担当しており、活動に大人数が必要なわけではないということをお伝えしておきます。

具体的な取り組みとしては、乳がん・子宮がん検診費用・メンター制度における会食費用・管理職の人間ドックの費用負担とインフルエンザ予防接種の費用補助を行っています。「安価簡易 × 高価高度」において費用の低い順に取り組みを示しますと、まず「制度新設・改訂」で休職の取り扱い規程などを整備した上で、管理職向けに周知徹底を図りました。次に「クイズ・啓蒙動画の配信」で正答率の高い社員を表彰する、「栄養補助食品の配布」では野菜ジュースを配り日ごろの食生活を見直すきっかけ作りをする、そしてそれぞれの施策の効果を高めるために「勤怠管理システムの導入」で、労働時間を正確に把握できるようしました。このほか、手のひらで野菜摂取率を測定できる機器を使って、1回目・2回目の改善率を競い合うといったイベントを行ったところ、非常に社内で盛り上がりました。

「フィジカル × メンタル」においては、創業以来続くラジオ体操の実施やウォーキングイベントの開催、サッカー部と野球部の活動費用の支援や自転車・徒歩通勤でもガソリン代を支給するといった施策を講じています。ハラスメント教育も行っていますし、家庭の事情によって嘱託職員に切り替えるなど「コース転換制度」、1年間の介護休業制度等も設けています。多くの取り組みの結果、メタボリックシンドローム該当者も減り、特定保健指導該当率は23.9パーセント(2021年)から8.8パーセント(2023年)と大きく改善しました。

 

 

健康経営を始めた背景には、建設業として伝統的、ハードな労働環境で働くことで部長級の社員をがんで立て続けに失うといった出来事がありました。「前田組の社員でよかった」と思ってもらえる職場となるように改善したいと考えるようになり、健康経営への取り組みを本格的に始めたのです。これから健康経営を始めたいと考える企業の方々には、ぜひ勇気を持って一歩を踏み出してほしいと思います。

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<実践企業事例②>「想い」(株式会社八代塗装)

 

実践企業事例2つ目は、株式会社八代塗装 友田義昭代表取締役社長(以下、友田氏)が「想い」と題して、健康経営に対する経営者としての想いをお話してくださいました。

 

友田氏 我が社は1971年に先代の父母が創業した会社で、スマートフォンやドアミラー、マンションのドアノブなどあらゆるものの塗装を請け負っております。2019年に健康経営優良法人の認定を受けてから、22年・23年・24年と「ブライト500」に選ばれています。しかし健康経営への取り組みについては「ブライト500を取りに行くような活動をしてはダメ」というポリシーを持っています。

まず、私が社長に就任した2014年に社員にアンケート調査を行ったのですが、リーマンショック後ということもあって子ども以外の保険を解約したという方が半数ほどいました。「仕事中、通勤時に何かあったらどうするのだろう?」という想いから死亡保険や退職金制度を整えて何があっても社員を守れる会社づくりをしようと取り組んだのが健康経営の原点です。ただ、2018年に人づてに聞くまでは「健康経営」という言葉そのものは知りませんでしたが。

社長になった時に父から受けた言葉を胸に、保険加入は「親(社長)から子(社員)を見た時の愛」だと捉えています。我が社では、社員全員ががん保険、三大疾病になれば一時的に300万円が入る保険に加入しています。今後もともに働き続けるだろう40名ほどに関しては医療保険にも加入しています。また社員でいくつかチームを作って「ペットボトルのキャップを集めてワクチンに変える」といった取り組みも行っており、2023年12月末で210,505個を回収して、ワクチン244本分となりました。これはともに活動していくなかで、家族や好きな人を含め照れずに「ありがとう」を言える仕組みを作りたいと私が考えたアイデアです。

そして、禁煙活動にも取り組んでいます。具体的には吸ったタバコの本数を記録して半年単位で集計します。それを「いくら使ったか」という金額ベースで計算して「これだけあれば、家族と旅行に行けたのに」といったアドバイスをしました。禁煙を決意した方には「卒煙証書」と金一封を渡しました。このほか、女性の身体に関するセミナーを開き、確実に検診に行くように促すといった取り組みも行いました。

 

 

「社員の不安は何なのか?心配事は何なのか。それを取り除くためにはどうすればいいのか?」と考えて活動すれば、健康経営優良法人の認定につながるのだと考えています。これから取り組む方々には、社員を”子”だと思って、親の目で見ていくことの大切さに気づいていただければ嬉しいです。

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健康経営優良法人認定制度について(健康経営優良法人認定事務局)

セミナーの最後に、健康経営優良法人認定事務局(日本経済新聞社)よりポータルサイト「ACTION!健康経営」を通じて得られる各種情報について説明がありました。実際に申請する際にアクセスするページや地域の取り組みを紹介したページ、各都道府県のインセンティブが確認できるページ、実践事例が確認できるページなどを紹介。さらに、フィードバックシートの活用方法や開示についてや新たに設けた「ネクストブライト1000」について解説しました。締めくくりに、自治体をはじめとする地域の支援窓口を上手に活用してより良い健康経営を目指してほしいと訴えました。

 

 

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